2025年新卒
MY PAGE
2026年新卒
ENTRY
キャリア
採用

STORY

最年少課長のチームマネジメント

リスクテイクしながら、
チームを最適解へと導く。

PROFILE

テキスタイル事業
2009年入社

STORY01

最年少課長のキャリアの歩み

2022年2月、酒井は12課課長への昇進辞令を受けた。スタイレムでは課長以上がいわゆる管理職となるが、一つの課の年商は数十億と中堅企業レベルで、マネジメントする課長の責務は非常に大きく、社内の管理職比率は決して高くない。しかも40代以上がほとんどのなか、当時35歳の酒井の課長就任は大抜擢と言えた。果たして彼は、それまでどんなキャリアを歩んできたのだろうか。

就職活動時は、明確なビジョンを持たないまま、なんとなく面白そうだと感じたシンクタンクやコンサルティング業界の選考を受けていたが、自分自身が興味のある「モノ」を商材としている業界で仕事がしたいと考えるようになった。あるとき、アパレルの小売りや貿易関連のビジネスに携わる親族が何人かいたことをふと思い出し、繊維商社に行き着く。そこで出会ったのがスタイレムだ。愛知県出身の酒井は、スタイレムの先輩社員と話し、「いかにも大阪の商売人だな」と感じたという。実際、入社してからも、親交の深いお客さまとの電話での挨拶が「まいど!」であることに、少なからずカルチャーショックを受けた(もちろん、全てのお客さまに対して砕けた表現を使っているわけではない)。ただ、ファッション業界と関わりを持つ商社パーソンというと、どうしても華やかなイメージが先行しがちだが、地道に泥臭く仕事に取り組む親族の姿を見ていたので、特に大きなギャップを感じることなく業界に溶け込めた。

2009年4月の入社後、テキスタイル事業の2つの部署で新入社員研修を受ける。そして2年目の4月、アパレル製品事業の営業として本配属となった。業務内容は、OEM(他社ブランド製品の製造)の営業である。百貨店アパレルの製品を主に取り扱い、海外での生産管理を行う。配属当時は、課が生地から製品に事業転換し、拠点も大阪から東京に移転したばかりだったため、チーム内は混沌としていた。納期遅れや品質不良など数多くのトラブルに見舞われながら、酒井はそこで4年近くの期間を過ごす。そして、何も成し遂げることができないまま、2014年2月に現在所属するテキスタイル事業の12課への異動が決まった。

悔しかったが、気持ちを切り替えて頑張るしかない。新たな部署で酒井は、大手SPA(製造小売業)や二次問屋、百貨店からセレクトショップまで幅広いメンズ・レディースアパレル、スーツブランドなど、多種多様なお客さまを相手にテキスタイルの提案を行った。さらに、大阪から東京への転勤や、海外におけるテキスタイル開発および販売も、同部署で経験した。

STORY02

課長にのしかかる重圧

スタイレムの営業は、仕入先さまやお客さまとの関係性が深いこともあり、昔は一度配属されるとその部署からは異動しないことが多かった。そんななか、アパレル製品営業、テキスタイル営業、大阪勤務、東京勤務、海外出張など、バラエティに富んだキャリアを形成する酒井のような存在は珍しい。

12課は大所帯の部署だった。他のテキスタイルの部署と異なり、ASEAN諸国やインドでの開発と生産を行っていることが大きな特徴であった。部署異動で途中から加わったため、先輩だけでなく後輩にまで遅れをとっている。どうにかしてキャッチアップしなければ、と酒井は意気込んだ。取引のあるお客さまはほぼ担当が決まっているが、リサーチを行うと意外と課として攻略できていないブランドがあることに気が付いた。そこでASEAN諸国やインドで生産しているテキスタイルをそのまま海外の縫製工場へ送り込む三国間貿易を活用しながらメンズアパレルやスーツブランド、ヤング層向けSPAブランドに対してのビジネスを拡大させることに注力した。そのなかでアパレル製品営業での経験がいかされた。志半ばでの異動だったとはいえ、アパレル製品や貿易に関する知識は最低限持ち合わせていたので、お客さまのニーズを汲み取った提案を行うことができた。そういった経歴や実績が評価され、酒井は2021年2月に主任、そして2022年2月に課長に昇進する。

スタイレムでは課別独立採算制の名残があり、一つの課の課長に経営者レベルの権限と責任が与えられている。主任時代も課内の販売チームのマネジメント業務に関わっていたものの、課長となると全く感覚が違った。売上を上げて利益を残すためにチームマネジメントを行いながら、数年先を見越したチームビルディングも同時に求められる。後進の育成は重点課題だった。また、これまでは「仕入先さま・お客さまのため」を最優先しつつ、「自分のため」と「自分の家族のため」だけを考えていればよかったが、課長になれば、「課員のため」さらには「課員の家族のため」というところまで思いを巡らせなければならない。大きな重圧が酒井にのしかかった。

STORY03

互いに歩み寄り、
そして失敗を恐れるな

酒井がマネジメント業務を行ううえで大切にしているのは、目的と目標を明確にすることだ。目的や目標がわかりやすければ課員の理解を得られやすい。課員全員から理解を得られれば、結果的にチームは正しい目標に向かい一丸となって進んでいける。ただし、12課には20代から50代まで幅広い年齢層の課員が約20名いるわけで、全員から理解を得ることほど難しいミッションはない。ジェネレーションギャップという言葉で簡単に片付けられないほど、小さな行き違いやミスが毎日のように発生している。例えば、ベテラン社員が良かれと思ってしたアドバイスを叱責と受け取る若手社員もなかにはいる。ジェネレーションギャップを言い訳に、年齢の離れた相手への理解を怠ってはいけない。それは分かっていても、感覚の差は簡単には埋まらないものなのだ。自分の持っている正解が、相手にとっての正解とは限らない。無理に白黒をつけようとすると、どこかで軋轢が生じ、リカバリーできなくなってしまう。そこで酒井は、「お互い半歩ずつ歩み寄ろう」と、呼びかけている。

また、若手社員の育成にも力を入れる。通常の海外出張は1週間程度だが、それでは糸からテキスタイルになるまでの全工程を確認することはできない。もちろん、染色なら染色、織布なら織布、紡績なら紡績と、工程を切り分ければ可能ではあるのだが、自分がオーダーしたものを最初から最後まで確実に管理することによって、モノ作りに対して体系的な知識を身に着けてほしい、スタイレムの人間として現場を深く知ることがお客さまとのビジネスにより貢献できる。だからこそ、場合によっては出張が2週間や1か月以上と長い期間になることも想定している。スタイレムは繊維商社のなかでも、現場に近い会社だ。現場を熟知しているので、お客さまの要望に応えられるし、より良いテキスタイルを提案できる。この文化はずっと大事にしていきたいと、酒井は考えている。

失敗と再考、試行錯誤の連続だが、酒井の管理職としてのキャリアはまだ始まったばかりだ。スタイレムには「失敗上等」という言葉がある。失敗には必ず痛みが伴うが、学ぶ姿勢があればそれを次の成功への糧にすることができる。どんどんリスクをとってチャレンジするべきなのだ。課員が成長する環境ときっかけを創出しながら、酒井は信念を持ってチームを率いていく。